今月の言葉(掲示伝導)

「暗夜の灯」

 秋も深まってまいりました。夜、虫の声を聞きながら散歩するのも気持ちが良いものです。都会の街中には街灯がありますので、夜でも歩くのに何の不自由もありませんが、ひとたび地方の山間部にまいりますと、夜になればあたり一面真っ暗で驚くほど闇が深く、一歩踏み出すにも恐怖で足がすくむほどです。そんなとき懐中電灯があれば、大変に心強く、恐れることなく前に進むことができます。

 私たち浄土宗教師は、葬儀や布教の現場で、かけがえのない家族を失い、真っ暗闇の中に突然放り出されて動くこともできずに立ちすくんでいる檀信徒の方々に、向き合わねばなりません。

 阿弥陀如来様が用意して下さったお念仏という灯を手渡し、極楽浄土への道を明るく照らし出し、闇の中でも歩いていけるよう手助けすることが、私たちの務めではないでしょうか。 

港南組 無量寺 小川真弘