今週の言葉 (掲示伝導)

「幽霊」 

皆さん本物の幽霊は見た事ないにしましても、幽霊の絵は見た事があると思います。説明する必要はないと思いますが、長い前髪を垂らし、両手は前に出して、足はない・・・。
幽霊と言えば、まずそんな想像をすると思います。
では何故、幽霊はそんな格好をしているのでしょうか?
その姿にもちゃんと意味がありまして、まずはダランと垂れた前髪。この前髪は「おどろ髪」と言いまして、何を意味しているのかと言いますと、過ぎ去ったことをいつまでも考えている姿を意味しているのです。それから、「両手を前にしている姿」これは先の事ばかりを考えている姿であり、「足がない」のは、今日、只今ちゃんと大地に足が付いてない姿を表しています。過去を思ったり未来を思ったり、ふらふらとして地に足が付いていない人生を幽霊の姿によって教えてくれているのです。
 そう考えますと、私達人間も日頃後先の事ばかり考えて、幽霊のよう人生を歩んではいないでしょうか?
確かに不安になることもあると思います。
だからこそ、しっかりと大地に足を付ける。つまり、その日その日を精一杯に生きるということが理想です。
けれども、人生を歩んでいく中で、これから先の事をいくら不安に思っても、私たちの個人の力だけでは、どうすることも出来ないのが現実です。
浄土宗の教えは、まずは、そのことを自覚することなのです。
そして、そんな我々を救ってくださると誓われた阿弥陀様に帰依し、この口に南無阿弥陀仏とお念仏をお唱えするのであります。南無阿弥陀仏の教えは阿弥陀様がお誓いになられ、お釈迦様が「素晴らしい」とお勧めくださり、六方諸仏が「喜ばしい」とお喜びになられた、私たちの救われる教えです。阿弥陀様の本願を信じて、しっかりと毎日のお念仏を申していくことで、私たちは幽霊のような人生ではなく、しっかりと一日一日を過ごしていけるのです。

三浦組 山本宗純