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 年が明け、早いもので二月になります。間もなく暦の上では立春にあたりますが、まだまだ寒さ厳しい日が続きそうです。

 

 今回は、「頭北面西」北枕について少し考えてみたいと思います。よく「北枕は縁起が悪い」などと時折耳にする言葉であります。確かに亡き骸を安置する一つの作法であり、これを避けるための意味でそのような事が言われているようです。

 さて北枕というのは、お釈迦様がお亡くなりになられた、つまり涅槃に入られた時のお姿なのです。今から約二千五百年前の二月十五日、八十年のご生涯をとじられました。このご命日に、お釈迦様を偲んで行われる法要を「涅槃会」と言います。お釈迦様は八十歳で亡くなるまでの四十五年間、伝道の旅を続けインドのクシナガラという所で静かに往生なされました。その時のお姿を「頭北面西」といい、頭を北に、足を南に、右脇を下にしてお顔を西に向けられたお姿です。よく考えてみすと、頭を寒い北に向け冷やし、足を暖かい南に向け暖めるというのは「頭寒足熱」の理にかなっております。また、お顔を西に向けるというのは、西方にあると説かれているお浄土への往生を願っての事と思われます。お釈迦様のこの姿勢、人間の心も体も深く見極められ、悟りを開かれたお釈迦様です。そのお言葉やお姿に何一つ縁起の悪いというものは無いはずです。

 私たちは、常日頃目に見えない縁により生き生かされているのです。是非この縁起をありがたくいただいていく人生にしていきたいものです。

 この「ご法話」は、浄土宗神奈川教区『テレホン法話』、平成18年2月分 第883話を掲載しています。