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 私達浄土宗を信仰するものにとりまして、その教えを知る一つの方法として詠唱というものがございます。そのなかの一つにある「冬の御詠歌」を本日はご紹介いたします。 「雪のうちに 仏のみ名を 唱ふれば つもれる罪ぞ やがて消えぬる」

 このお歌は罪の積もる様子を雪にたとえられ、お念仏によって罪が消える事を法然上人が詠まれたお歌であります。私達は日々の生活におきまして、どんなに気をつけていても罪を重ねてしまうものであります。例えを挙げればキリがないのでありますが、道を歩けば小さな虫や生物を踏み殺し、食事を取れば間接的にといえ殺生をし、また他人に対しては怒りや妬み・愚痴の心をいだいてしまうのであります。まさに雪が降り積もるがごとくこの身に深く罪を降り積もらせているのであります。 

 そして悲しいかな、いかにしてこの罪から逃れようと思えど、自力で逃れる事ができないのが私達凡夫であります。こんな私達がどのようにしたらこの罪から逃れられるのでしょうか。それが南無阿弥陀仏の六字のお名号をお唱えするお念仏であります。私達のような罪深い凡夫でさえもこの身自ら作り上げてしまった罪をしっかりと意識し、この身このまま、ありのままで心から懺悔しお念仏をお唱えすれば、阿弥陀様のそのお慈悲に満ちた無量の光に照らされて、この六字の名号の功徳によって春の雪解けの光のように私達の罪はたちどころに消えてしまうのであると、法然上人はさきほどのお歌でお示しくださいました。

 しかしながら、お念仏をお唱えしているそばからまた新たな罪をつくりあげてしまうのも私達凡夫であります。日々の生活の中、なるべく罪を作ることなく努力をし、阿弥陀様に懺悔と感謝の気持ちを常に心がけ、お念仏を中心とした生活を送っていただく事が何よりも大切な事であります。

この「ご法話」は、浄土宗神奈川教区『テレホン法話』、平成18年2月分 第884話を掲載しています。